「君ノ為ニト思ワレテ・・・」「君ノ為ニト思ワレテ・・・」「ストーカーに付きまとわれてるかもしれない」 そんな不安がある。いつも見られてるような窮屈な感覚。 誰なんだろう、わたしを見ないで。 あの男・・知ってる。会社に配達にくる宅配のお兄ちゃんだ。確かお茶をご馳走されたことがある。それぐらいのことなんだけど・・・ 彼に相談してみた。 彼は明らかに不機嫌だったの。 相談したの間違いだったって後悔したの。 悲しいわ。 何度も配達に来るたびに言おうと思ってた「付きまとわないで」 でも会社だし、にっこり笑って、仕事するしかないじゃないの。 それのどこが悪いのよ。 彼は「君が気のあるそぶりするからつきまとわれるんだよ」なんていうけど、わたしにはそんなつもりはぜんぜんないのに。 もうイヤよ。外に出るのもいや。 会社辞めようかな・・ 世間もストーカーの話題が多くなって彼のやっと気にしてくれるようになって、一緒に警察に相談に行ったの。 それでやっとはっきりいえたのよ。 「わたしに付きまとわないでください」 警察も注意したみたいなのに・・ ぜんぜん変わらない。相変わらずわたしを付きまとう。ぜんぜん気の休まる日がない。どうしてこんなことになるの? わたしが何をしたというのだろう。 警察だって「あなたが気のあるそぶりしたんじゃないですか?彼がいるのに二股でもかけてたの」なんていう。それが警察の言う言葉?彼にも疑われ、わたしの心はムチャクチャよ。もうイヤよ。どこか、遠くに行きたい。 ほら、また外からわたしの部屋覗いてる。 彼に電話する。 「助けてよ、また見てるの。わたしどうしたらいい?」 「無視しろよ。」 そんなこと言うけど・・ 「わたし会社辞める」 そういって会社を辞めることにしたの。 「ねぇ、結婚とまでは言わないけど、本当は思ってるけど、せめて一緒に暮らしてほしい。あの男の知らないところに住みたい」なきながら彼にお願いしたの。 それで、一緒に住むことになったの。結婚を前提にして。幸せだったわ。考えたら、あのストーカーのおかげもある。煮えきれない彼がやっと重い腰をあげたんだもの。 やっと、逃げ切ったと思ったのに。どこでしったの?なぜあの男がわたしの目の前にいるのよ。助けて、助けて、助けて。 気がついたら、わたしは病院にいるの。あそこで寝てるのは・・・わたし? みんなが深刻な顔をしてわたしを見てる。 「どうやら、二股かけていたみたいですね。三角関係のもつれなんでしょうかね」 ちがうわよ!、ちがう、違う。 わたしあの男とはほとんど話したことないし、自販機のお茶ご馳走になった程度なのよ。それが罪だというの? 「愛してるよ」 ああ・・なんておぞましい声がするんだろう。だめだ、もう考える力もない。真っ白な世界がひろがってる・・・・ |