009098 ランダム
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あなたにあえてうれしい♪

あなたにあえてうれしい♪

「君ノ為ニト思ワレテ・・・」

「君ノ為ニト思ワレテ・・・」

「ストーカーに付きまとわれてるかもしれない」
そんな不安がある。いつも見られてるような窮屈な感覚。
誰なんだろう、わたしを見ないで。
あの男・・知ってる。会社に配達にくる宅配のお兄ちゃんだ。確かお茶をご馳走されたことがある。それぐらいのことなんだけど・・・
彼に相談してみた。
彼は明らかに不機嫌だったの。
相談したの間違いだったって後悔したの。
悲しいわ。
何度も配達に来るたびに言おうと思ってた「付きまとわないで」
でも会社だし、にっこり笑って、仕事するしかないじゃないの。
それのどこが悪いのよ。
彼は「君が気のあるそぶりするからつきまとわれるんだよ」なんていうけど、わたしにはそんなつもりはぜんぜんないのに。
もうイヤよ。外に出るのもいや。
会社辞めようかな・・
世間もストーカーの話題が多くなって彼のやっと気にしてくれるようになって、一緒に警察に相談に行ったの。
それでやっとはっきりいえたのよ。
「わたしに付きまとわないでください」
警察も注意したみたいなのに・・
ぜんぜん変わらない。相変わらずわたしを付きまとう。ぜんぜん気の休まる日がない。どうしてこんなことになるの?
わたしが何をしたというのだろう。
警察だって「あなたが気のあるそぶりしたんじゃないですか?彼がいるのに二股でもかけてたの」なんていう。それが警察の言う言葉?彼にも疑われ、わたしの心はムチャクチャよ。もうイヤよ。どこか、遠くに行きたい。
ほら、また外からわたしの部屋覗いてる。
彼に電話する。
「助けてよ、また見てるの。わたしどうしたらいい?」
「無視しろよ。」
そんなこと言うけど・・
「わたし会社辞める」
そういって会社を辞めることにしたの。
「ねぇ、結婚とまでは言わないけど、本当は思ってるけど、せめて一緒に暮らしてほしい。あの男の知らないところに住みたい」なきながら彼にお願いしたの。
それで、一緒に住むことになったの。結婚を前提にして。幸せだったわ。考えたら、あのストーカーのおかげもある。煮えきれない彼がやっと重い腰をあげたんだもの。

やっと、逃げ切ったと思ったのに。どこでしったの?なぜあの男がわたしの目の前にいるのよ。助けて、助けて、助けて。

気がついたら、わたしは病院にいるの。あそこで寝てるのは・・・わたし?
みんなが深刻な顔をしてわたしを見てる。

「どうやら、二股かけていたみたいですね。三角関係のもつれなんでしょうかね」

ちがうわよ!、ちがう、違う。
わたしあの男とはほとんど話したことないし、自販機のお茶ご馳走になった程度なのよ。それが罪だというの?

「愛してるよ」
ああ・・なんておぞましい声がするんだろう。だめだ、もう考える力もない。真っ白な世界がひろがってる・・・・



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